修繕費の判定に注意 “価値増加”ならNG

 建設当初はピカピカだった自慢の自社ビルも、年月の経過とともに老朽化し、機械設備に不具合が生じたりするものです。こうした建物や機械設備など、固定資産の維持管理や原状回復のために充てた費用は“修繕費”として損金算入することが認められています。そのため、多額の利益を計上した会社が、決算前に自社ビル内の修理を施すことで修繕費を計上するケースは珍しくありません。

 しかし、やみくもに修理を行うことで逆効果になってしまうこともあるので気を付けましょう。「固定資産の使用可能期間を延長させたり、価値を増加させたりする修理、改良」のために要した費用は、修繕費とならず、“資本的支出”として通常の減価償却処理を行うことになるためです。なお、資本的支出に該当する修理、改良として、自社ビルの修繕に併せて「非常階段などを新たに取り付けた場合」や、機械設備の修理に併せて「機械の部品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合」などがあります。

 ところで、今年の夏は、全国各地で床上浸水、土砂崩れなどによる被害が相次ぎました。こうした水害を含む自然災害などにより固定資産が被害を受けた場合、修繕費として認められる費用は
①被災資産の現状復帰費用
②被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水・土砂崩れなどの防止費用
③修繕費なのか、資本的支出なのかが明らかでない費用のうち、法人がその金額の30%相当額を修繕費としたもの(残りの金額を資本的支出として計上することが必要)――などです。
 水害防止のために貯水池など特別な施設を設置したりする場合は、新たな資産の取得に当たり、修繕費として処理することはできません。
<情報提供:エヌピー通信社>

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