未払い給与の源泉税 「納付書」は忘れずに

 資金繰りの関係で役員や従業員の給与が未払いとなっている会社は少なくありません。株主総会で支払い金額が確定した給与は、決算期末の時点で未払いであっても法人税の計算上、損金算入が認められますが、実際には支払っていないため源泉所得税は発生しません。このため源泉所得税の納付書を税務署に提出しなくてもよいと考えている会社が少なくないといいます。
 しかし、納付もなく、納付書の提出もないとなると、「給与は支払っていて源泉税を納付していないだけなのか、給与の支払い自体がないのか判断できません」(税務署)。このため、納付書の提出がないと、税務署から「お尋ね文書」が届くことになります。

 納付書は、会社における給与の支払い状況を税務署が把握しておくための機能も持ち合わせているため、納付税額がたとえゼロであっても、翌月10日までに税務署への提出が必要です。その際、納付書の「人員欄」は「0人」、「支給額欄」「税額欄」「本税欄」「合計額欄」はそれぞれ「0円」とし、「摘要欄」には「給与未払い計上」と記入する必要があります。
 また、資金繰りの見通しがつかないため、未払い給与を「払わないことにする」ケースもありますが、この場合も注意が必要です。未払い給与を払わないことにした場合、会社には債務免除益が立つことになります。さらに、一度債務として確定していることから「いったん支払った給与が戻ってきた」という考え方になり、源泉税の対象にもなるのです。

 税務署では、納付書や届出書に関して不備があると認められる会社に対しては、はがきや電話などによる確認作業を進めると同時に、源泉所得税全般にわたりミスがないかチェックしています。
<情報提供:エヌピー通信社>

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